日光 天然氷の切り出し作業 ~四代目氷屋徳次郎~
2016年 02月 04日
日本には天然氷を作っているところが5箇所ある。
山梨県と埼玉県で1箇所ずつ。そして栃木県の日光に3箇所(四代目徳次郎・松月氷室・三ツ星氷室)
以前から氷の切り出し風景を見てみたいと思っていたのだけれど、氷は自然のもの。
切り出し日は直前にならないと決定しない。
そこで、今市のカフェ珈茶話のちびマスターにお願いして、切り出し日が決定したら教えてもらうことに。

切り出し日決定の連絡をいただいて、急遽スケジュールを無理やり空けて現地へ。
雪道は運転できないので、ちょっと手前の市営駐車場に車をとめて歩く。
空気は冷たいけれど、風がないから体感温度はそんなに低く感じない。

まず、四代目徳次郎さんにご挨拶。
天然氷作りについて話をうかがう。
「天然氷作りは自然が相手ですが、天候の予測はどうされているんですか?」
実際、気象を読むことがとても大切で、三代目から受け継いだ、雲の流れ方や山の稜線の見え方で天気や気温の変化を察知している。
「どんな氷を目指しているんですか?」
透明で硬い氷。
最初に柔らかく張った氷は成長しても柔らかいままだから、割って一から作り直す。
雨が降っても氷がダメになってしまうから、それも作り直し。
「1シーズンに何回くらい途中で割ってしまうんですか?」
今は1回くらい。
以前5回割って作り直したことがあったけれど、それで最高の氷が出来たかというとそうでもない。
完璧な氷を作るのは非常に難しい。
でも、その時できる最善のモノを目指している。
「切り出し前に雪が降ると徹夜で雪かきするとうかがいましたが」
そう。氷に雪が積もると暖かくて溶けてしまうから。
ボランティアの人達と1時間半毎に雪かきをし続けないといけない。
天然の氷だからこその苦労がうかがえますね。
それに、多くのボランティアの皆さんに支えられているようです。
では、早速切り出しの様子を見に行きましょう。

ここには氷を作る池が2つあって、この日の切り出しは上池でした。
翌日は下池の切り出して、それはNHKの朝の情報番組「おはよう日本」で取り上げられていました。

氷に切り込みを入れる順番とか加減とか、なかなか難しそうです。
以前、機械の重さもあって機械ごと池に落ちてしまったこともあったそう。
そうなると氷も全滅ですから大変ですね。

切り込みの入った氷を少しずつばらばらにして行きます。
一度ばらばらにしてしまうと表面積が増えるので氷が溶けやすくなってしまうんですよ。
そこで、他の作業とのバランスをみながら。

ばらばらになった氷は少しずつ池の端に送って竹のレール(っていう表現でいいのかどうか)の上に乗せて送り出します。
あ、因みにこの写真に写っている2人の女性は、わざわざ京都の祇園からボランティアをするために駆けつけたんですって。
びっくり!

氷が滑ってきました。でも途中で止まりそう。

はい、人力でどんどん送ります。
でも、ここもペースを考えないといけないんです。

氷室で氷を並べる作業が結構大変なので。

氷室に整然と並べられた氷のブロック。
この後もまだまだ積みあがります。

この冬は、12月までは気温が下がらなかったので、例年に比べて切り出しが遅れたそう。
それにしても、氷の断面がとても美しい。

貯蔵する氷の周りには蓋氷という売り物にならない規格外の氷が配置され、更におがくずで覆われる。
なぜ大鋸屑(おがくず)を使うのかうかがったら、氷から出る水分を吸って放出するので、冷却するのに気化熱としても重要な役割を担っているとか。
最初見たときは土かと思ってびっくりしたのだけれど、大鋸屑なら納得。

ばらばらに浮いている氷を氷室に入れたらお昼休憩。
素晴らしいチームワークのおかげで、あっという間に上の池の半分以上が氷室へ積まれた。

ここのお昼ご飯の凄いところは、やはりボランティアのかたが作ってくださるという・・・。
しかも、この日は寒ざらしの手打ち蕎麦。
本格的だな~と思ったら、打っているのは那須烏山のお蕎麦屋さん(梁山泊)の広木さん。
四代目徳次郎さんにはお世話になっているからご恩返しなのだそう。
話をうかがううちにお店に興味がわいたので、今度食べに行きますね。

私は働いていないので申し訳ないから、お昼はよそで食べようかと思っていたのだけれど、珈茶話のちびマスターが温かいお蕎麦を用意してくれた。
嬉しいわぁ。蕎麦についての話を聞いたばかりなので、より一層美味しく感じられる。

あ、目の前を冷たいお蕎麦を持った四代目が通り過ぎていった。

こちらでは四代目の奥様と娘さんたちがカレーライスや天ぷらの配布。
和気藹々として楽しそう。

皆さんが日光天然氷のかき氷を食べる時、ほんの少しでいいから思いを馳せてみてくださいね。

その氷を作るために、沢山の人が手をかけて

思いを込めて

酷寒の中、頑張っていたことを。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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山梨県と埼玉県で1箇所ずつ。そして栃木県の日光に3箇所(四代目徳次郎・松月氷室・三ツ星氷室)
以前から氷の切り出し風景を見てみたいと思っていたのだけれど、氷は自然のもの。
切り出し日は直前にならないと決定しない。
そこで、今市のカフェ珈茶話のちびマスターにお願いして、切り出し日が決定したら教えてもらうことに。

雪道は運転できないので、ちょっと手前の市営駐車場に車をとめて歩く。
空気は冷たいけれど、風がないから体感温度はそんなに低く感じない。

天然氷作りについて話をうかがう。
「天然氷作りは自然が相手ですが、天候の予測はどうされているんですか?」
実際、気象を読むことがとても大切で、三代目から受け継いだ、雲の流れ方や山の稜線の見え方で天気や気温の変化を察知している。
「どんな氷を目指しているんですか?」
透明で硬い氷。
最初に柔らかく張った氷は成長しても柔らかいままだから、割って一から作り直す。
雨が降っても氷がダメになってしまうから、それも作り直し。
「1シーズンに何回くらい途中で割ってしまうんですか?」
今は1回くらい。
以前5回割って作り直したことがあったけれど、それで最高の氷が出来たかというとそうでもない。
完璧な氷を作るのは非常に難しい。
でも、その時できる最善のモノを目指している。
「切り出し前に雪が降ると徹夜で雪かきするとうかがいましたが」
そう。氷に雪が積もると暖かくて溶けてしまうから。
ボランティアの人達と1時間半毎に雪かきをし続けないといけない。
天然の氷だからこその苦労がうかがえますね。
それに、多くのボランティアの皆さんに支えられているようです。
では、早速切り出しの様子を見に行きましょう。

翌日は下池の切り出して、それはNHKの朝の情報番組「おはよう日本」で取り上げられていました。

以前、機械の重さもあって機械ごと池に落ちてしまったこともあったそう。
そうなると氷も全滅ですから大変ですね。

一度ばらばらにしてしまうと表面積が増えるので氷が溶けやすくなってしまうんですよ。
そこで、他の作業とのバランスをみながら。

あ、因みにこの写真に写っている2人の女性は、わざわざ京都の祇園からボランティアをするために駆けつけたんですって。
びっくり!


でも、ここもペースを考えないといけないんです。


この後もまだまだ積みあがります。

それにしても、氷の断面がとても美しい。

なぜ大鋸屑(おがくず)を使うのかうかがったら、氷から出る水分を吸って放出するので、冷却するのに気化熱としても重要な役割を担っているとか。
最初見たときは土かと思ってびっくりしたのだけれど、大鋸屑なら納得。

素晴らしいチームワークのおかげで、あっという間に上の池の半分以上が氷室へ積まれた。

しかも、この日は寒ざらしの手打ち蕎麦。
本格的だな~と思ったら、打っているのは那須烏山のお蕎麦屋さん(梁山泊)の広木さん。
四代目徳次郎さんにはお世話になっているからご恩返しなのだそう。
話をうかがううちにお店に興味がわいたので、今度食べに行きますね。

嬉しいわぁ。蕎麦についての話を聞いたばかりなので、より一層美味しく感じられる。


和気藹々として楽しそう。





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by vivian-style
| 2016-02-04 22:12
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