益子・日下田藍染工房の日下田さんを囲む会
2017年 07月 29日
母屋は住居と藍染めの作業場兼用の茅葺屋根。
栃木県指定文化財になっている築200年の建物は、あの震災にも耐えた。
作業場には愛知県常滑焼の180リットル入の藍ガメが72個、土の中に埋められている。
全部稼動していないのはどうしてかと思ったら、微生物のために休ませながら順番に使っているとか。
この工房の主、日下田正さんは9代目で1939年生まれ。
民芸運動の濱田庄司、柳宗悦、河井寛次郎らを直接知る数少ないうちの一人とのことで、話をうかがう会が催された。
彼らの質問は的確で、しかも学芸員さんの博学なことったら!
こんなに頭の切れる女性がいるのは嬉しい事。きっと努力の違いね。
聞くほどに、イメージと現実のズレを感じる。
「民芸」というコトバに対して、あるいは「民芸運動」に対してモノをつくる職人さんや作家さんには様々考えるところがあると思うのだけれど、根本はシンプルで後世のためだったのではなかろうか。
私が聞いた濱田氏のエピソードの中で印象的だったのは、川崎出身の濱田氏が益子に来た時、地元の若者たちを集めて「焼き物はこれから盛んになる。他の仕事もこれから必要とされるから手仕事を頑張ろう」と声を掛け、彼らの収入になるようにそれぞれ仕事の注文を出したこと。
日下田さんのお父様(8代目)には手織りの作務衣を注文したとか。
この夜の日下田さんの話はライターさんが記事にまとめて出すと言っていたので、そのうちどこかで目にする機会があるかもしれませんね。
現在の日下田さんは種子から綿を育て、紡いで織ることに重点を置いてる。
手間ひまかけて織りにこだわるのは、その質感と「未だに思うようにいかないことが多い。たまに上手くいくと嬉しい」ところにあるようで。
貴重なお話をありがとうございました。
日下田さんを囲む会は、茂木在住の陶芸作家 和田さんの家で開催されたのですが、彼曰くこの「貫入(かんにゅう)」を知らない人が多いそうで。
これは「ヒビ」とは全く別物で、使用しているうちに変化していくものなんです。
これを「育てる」と言ったりするんですけれどね。
陶器を購入したお客様から「ヒビが入ってる!」と苦情を言われることもあるそうで。
少しずつ色んなことが忘れられているのでしょうか。
この日は、様々なことを考える夜になりました。
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by vivian-style
| 2017-07-29 22:28
| インタビュー
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